アナログ停波までに片付けねばならない5つの課題
過去アナログ停波反対を訴えてきた経緯もあるわけだが、それはこれまでのアナログ放送に比べ、デジタル放送があまりにも不便になっているからである。
先日、NECエレクトロニクスが、地デジ受信に必要なほとんどの機能を1チップ化したLSIを開発したと
発表した。
実際このチップがいくらで出されるのかは定かではないが、メーカー関係者に言わせれば、今のところそうとう頑張っても9800円ぐらいが限度のようだ。
そもそも、そういったDRMの穴があるかどうかをチェックするのが、もともとB-CAS社が行なうとされている「審査」ではないのか。
ということは、自分たちのザル審査の責任をメーカーに取らせていることになる。
こんな無茶な話は、過去聞いたことがない。
例えば今米国で売られている50ドルチューナーは、韓国LG電子製だという。
国内だけで5000円チューナーが難しければ、当然国外の力にも頼ることになる。
そのときにB-CAS社のこんな無茶が通るのでは、国内外問わず今後低価格チューナーで参入してこようとするメーカーに対しての、参入障壁となるだろう。
もしテレビを見なくなると言う人があったら、忘れずにNHKの受信契約を解約すべきである。
今から2011年7月24日にNHK解約と、Googleカレンダーに入れておくといい。
放送というのは、単に家で番組が見られる、見られないの問題ではないかもしれない。
もしかしたらNHKの時報放送を利用して、時刻合わせをしているシステムもないとは言い切れない。
とにかく50年間変わらなかったものを止めるのだから、どれぐらいの公共機関や設備で利用されているのかも含めて、社会に与える影響がいまだ不明だ。
しかも一度立てたら終わりではない。
2012年に電波出力開始と言われている新東京タワーができたら、今度はそちらへアンテナを向け直さなければならない。
普通の人がRF測定器を持って屋根に登って方向を合わせるなどということはできないから、やはり工事を頼むことになる。
日本という国は、すでにアナログ停波した国々に比べて、映像コンテンツに関しては放送への依存度が高い。
それだけネットに映像が乗ることを牽制してきた結果でもあるが、今度は逆にそれが自身の首を絞めつつある。
総務省がなにか地方局に恨みがあって、こいつらを根絶やしにしたいと思っているのなら現状のまま進行すればいいが、
通信側のインフラを間借りするとか、どう考えてももう少し頭のいいやり方というのがあるはずだ。
隅々まで届けたいのは、「ハイビジョン画質」ではない。
そういうものはBlu-ray Discなどのパッケージで、物流でやればいい。
放送が届けなければならないのは、あくまでもリアルタイムの「情報」であるはずだ。