その後
称号:ヴァナ・ディールのスター
Maat : うむ、見事であった。
あの戦いぶりを見させてもらえば、ワシも
安心じゃ・・・・・・・。
Maat : のぅ、お前さんは
この賑やかなジュノが、かつては寂れた漁村だった
などと、信じられるか?
Maat : 今のジュノしか知らぬ者には
無理もあるまい・・・・・・。
おぉ、そうじゃ、おもしろい話を教えてやろう。
Maat : かつてのジュノに、腕っぷしの強い
船長が1人おってな。
彼は、貧しくとも温かい人々が暮らす、
そののどかな漁村が大好きじゃった。
Maat : ところがじゃ。ある時、その船長が
大時化の海で不思議な2人組を助けてから、
運命の歯車はめまぐるしく動き出したのじゃ。
Maat : その2人組はたいそうな
知識と指導力を持っておってな。短期間で
その村を大都市へと変貌させてしまったのじゃ。
Maat : 最初は船長も村の発展を歓迎したんじゃ。
じゃが次第に、本当にこれでいいのか、
彼らは何か別の目的があるんじゃないのか、
と疑問を持つようになったのじゃ。
Maat : じゃが、もう何もかも遅すぎた・・・・・・。
すでにジュノに住む人々の心も考えも、
彼の知るジュノではなくなっていたのじゃな。
Maat : それでも船長は、自分の目が黒いうちは
自らの手でこのジュノを守っていこう・・・・・・、
そう心に誓ったそうじゃよ。
Monberaux : やぁ、マートさん。
どうですか、調子は?
Maat : おう、モンブロー。
いつもご苦労だな。
Monberaux : 相変わらず元気そうですね。
Maat : うむ、ピンピンしとるよ。
お前さんは商売あがったりじゃろう、
フォッフォッフォ!
Monberaux : 結構なことですよ。
Monberaux : ところでマートさん・・・・・・。
Maat : ん?
Monberaux : その船長さんが守ろうとしたものって
何だったんですかね。
Maat : ・・・・・・。
そうさなぁ、しいていえばみんなの
笑顔とかではないかの。
Monberaux : フフッ、そうですね。
案外そういうものなのかもしれませんね。
Maat : じゃが、それを奪おうとする者は
案外近くにいたりするもんなんじゃよ。
彼はそれを許せんかったのじゃろうな。
Monberaux : ・・・・・・マートさん。
Monberaux : じゃあ、私はまたいつものように
このあたりをまわって帰ります。
くれぐれもお気をつけて。
Maat : 心配無用じゃ。
それよりもモンブローよ、ウォルフガングのことを
頼むぞ。あやつももう少しいろんなものが
見えてくれば、また変われるんじゃろうが・・・・・・。
Monberaux : えぇ・・・・・・。
Maat : さぁてと・・・・・・。
Maat : ワシはおそらく真実を知ることは
できぬだろう。それには少々歳を取りすぎた。
だから次代の若者たちにしっかりと確かめて
ほしかったのじゃ。
Maat : そして、自分の守るべきものを
全力で守ってほしい。今のお前さんなら、
それができるはずじゃ。そうでなければ、これまでの
努力が無駄になってしまうからな。
Maat : 何事にも始まりと終わりがある。
じゃが、終わらない想いもまた、あるのじゃよ。
Maat : これが得体のしれぬ老いぼれの、
ひそかな願いじゃ。
・・・・・・では、な。
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