物心ついた頃からすでに手元に情報機器があって、その経験が人の繋がり方や発想、能力、可能性を広げていくということも考えられるわけだが、
不所持規制は、子供たちにそっちの未来への選択権を与えないことになりはしないのか。そこが心配である。
しかし携帯電話は、急速に普及したから問題を生んでいるわけであり、今大学生ぐらいの人たちが小中学生だった頃とは事情が違う。
だが年齢的には数年しか違わないため、子どもがそれほど違うはずがない、という前提に基づいた判断をする。
この普遍的な自信は、子育てを終えた親には共通に見られる傾向だ。
人としての子供は変わらないが、子供社会が変わってしまったのである。多くの大人は、そこが受け入れられない。
「携帯依存が進行しており、学習時間が減っている」という調査結果を出しているが、
そもそも学習時間が減っているというのは家庭内のことであり、学校でのことではない。
しかしネットいじめと携帯を学校に持っていくことには、ほとんど関係がない。
なぜならば、根本的に「リアルいじめ」の延長で「ネットいじめ」があるわけで、
それぞれが独立して存在しているわけではないからである。
まあ、大阪府という大きな単位でそれを明言したのは珍しいと言えば珍しいが、
そもそもは文部科学省の方針であるわけで、携帯の持ち込み禁止に対して大阪府や橋下知事を非難するのはおかしなことである。
要するに今、マスコミも含めてなんかオオゴトになってきているのは、そもそも青少年ネットリテラシなんか全然興味のない人たちが大量に押し寄せて来て、
本来切り分けなければならない問題をぜんぶ1つの鍋にぶちこんで闇鍋状態にしてしまい、それを食って「ケータイはマズい」と大騒ぎしているからである。
本当に必要なことは何で、それを冷静に話して分かる大人がどれぐらいいるのか。
結局のところ、そういう人捜しから始めなければならないから、親の教育は大変なのである。